健康保険証は令和6年12月2日以降、新たに発行されなくなり、現在はマイナンバーカードの健康保険証利用(マイナ保険証)による受診を基本とする仕組みに変わっています。
今回はマイナ保険証についての説明と、気になる疑問点について解説いたします。

1.マイナ保険証とは

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるように登録したマイナンバーカードのことです。つまり、今後はマイナンバーカード自体が健康保険証となります。医療機関の窓口で、健康保険証の代わりにマイナンバーカードを出すことになるわけですね。

以前、マイナンバーカードの健康保険証利用に登録するとマイナポイントがもらえたこともあり、すでに利用登録を終えている人も多いかと思います。政府の発表によると、令和6年10月時点でマイナンバーカード保有者の80%以上がマイナ保険証に登録しているようです(参考としてマイナンバーカードを保有しているのは全人口の75%です)。まだ登録していない場合、登録方法は3つあるのですが、おススメは医療機関や薬局の受付で登録する方法です。顔認証機能付きカードリーダーがある医療機関であれば、診療に行ったその日にその場で登録ができてしまいます。実際に登録した人の話だと2~3分程度で完了するようです。

2.現行の健康保険証は使えなくなる?

直ちに使えなくなるわけではありません。令和6年12月2日時点で有効な健康保険証は、その有効期限まで(最長で1年間)引き続き使用することができます。

3.健康保険証の利用登録をしていない場合は?

マイナンバーカードを取得していない方や、まだマイナンバーカードを健康保険証として利用する登録をしていない方には、マイナンバーカードによらず保険資格が確認できるように、ご自身が加入している医療保険者(勤務先や各自治体など)から「資格確認書」が無償で交付されます。これに加えて、ご自身でのマイナ保険証の利用が困難な方(高齢者、障害がある方など)は、申請いただくことで「資格確認書」が交付されます。この「資格確認書」を医療機関等に提示することで、ご自身の自己負担割合(3割負担等)にてこれまで通り保険診療を受けることができます。

4.マイナ保険証のメリット

マイナ保険証を利用するメリットは大きく2つ挙げられます。

よりよい医療が受けられる

  • 特定健診や診療の情報を医師と共有でき、重複検査を防ぎ、自身の健康・医療データに基づくより適切な医療を受けられます。 また、薬の情報も医師・薬剤師と共有でき、重複投 薬や禁忌薬剤投与のりスクも減少します。※本人の同意なく情報が共有されることはありません。
  • 旅行先や災害時に受診する際も、薬の情報等が連携されます。

各種手続きが簡単・便利になる

  • マイナポータルで医療費通知情報を入手でき、医療費控除の確定申告が簡単にできます。
  •  医療費が高額な場合に申請する「限度額適用認定証」が不要になります。
  •  「高齢受給者証」の持参も必要なくなります。
  •  就職や転職後の保険証の切り替え・更新が不要になります。

また、従来の健康保険証利用と比べ、若干ですがマイナ保険証を利用した方が、医療費が安くなります。

5.マイナ保険証に関するQ&A

マイナンバーカードを持ち歩くと、他人にマイナンバーを見られたりマイナンバーカードを紛失したりする不安もあるかと思います。そこで、こういった不安に対するデジタル庁のQ&Aをご紹介いたします。

Q. マイナンバーカードを紛失した場合、自分の医療情報が流出しませんか?

A. マイナンバーカードのICチップには、税や年金の情報、病歴等、プライバシー性の高い情報は記録されません。また、マイナ保険証は、カードのICチップのほか、顔認証や暗証番号を組み合わせることではじめて、医療情報等を確認できる仕組みです。マイナンバーカードだけでは、税や年金、医療等に関する情報を引き出すことはできません。
マイナンバーカードを紛失し、カードを利用しようとする人がいたとしても、銀行のキャッシュカードと同様、暗証番号がなければ情報を引き出すことは不可能です。また、ICチップから不正に情報を読み出そうとした場合、自動的にICチップが壊れ、読み出せなくなる仕組みになっています。

Q. マイナンバーカードは、「他人に見せないようにし、大切に保管しましょう」と聞いたことがあります。カードを利用した便利なサービスがありますが、持ち歩いてもよいのでしょうか?

A. 今後、マイナンバーカードを利用した便利なサービスがさらに増えていきます。マイナンバーカードは、ぜひ、持ち歩いて利用してください。
マイナンバーカードは、銀行のキャッシュカードやクレジットカード等と同じように扱うことができます。万が一、落としたり、なくしたりした場合は、利用の一時停止の手続をお願いします。一時利用停止は、24時間365日フリーダイヤル マイナンバーカード総合窓口(0120-95-0178)で受け付けています。

デジタル庁|マイナンバー総合フリーダイヤル


 なお、マイナンバーカードは、ICチップの中を無理やり読み出そうとすると、自動的にICチップが壊れて、読み出せなくなる仕組みとなっていますので、悪用することもできません。安心してお使いください。また、マイナンバーカードは、居住する市区町村で再発行できます。

Q. マイナンバーを人に見られても大丈夫ですか?

A. マイナンバーは、住民票を持つ日本国内のすべての人に付番される12桁の番号で、マイナンバーカードの裏面に記載されています。マイナンバーとマイナンバーカードは別のもので、保険証として利用する場合は、マイナンバーカードを使用しますが、マイナンバーは使いません。
 また、マイナンバーが他人に見られたり、漏れたりしても、マイナンバーのみでは様々な手続を行うことはできないため、情報を引き出したり、直ちに悪用したりすることはできません。マイナ保険証として利用する際、医療機関の職員がカードの裏面に記載されたマイナンバーを見られたとしても、マイナンバーだけでは医療情報を引き出すことは不可能で、マイナンバー法の提供制限等の規定に抵触しないとされています。
 一方で、個人のブログやSNS等で、自身のマイナンバーを公表するといったことは、第三者へのマイナンバーの「提供」にあたるおそれがあり、法律違反となる可能性があるため、こうした行為は控えるようお願いします。

まとめ

マイナンバーカードも少しずつですが国民に浸透してきており、この健康保険証利用を通じて広がりを見せるものと思われます。デジタル庁ではマイナンバーカード機能をスマートフォンに搭載できるよう進めていて、今後はスマートフォンでいろいろなサービスが受けられるようになっていく見込みです。時代が変わり、私たちの生活のあり方も変わっていく中で、リスクには気をつけながらも、享受できるメリットは活用していきたいところです。

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